月の庭で見た夢を

ニコッとタウンでひとりごと。

書店で過ごしたあの頃のこと

インクの香りと過去への扉

インクの香りと過去への扉

引っ越しが多い私にとって,
増殖し続け場所を占拠し運ぶのが大変な本というものは困った荷物だ。
だから、Amazonで初代Kindleが発売された頃から買うのは電子書籍ばかり。
本屋さんへ行くこともなくなった。


けれど,
昔は一人で本屋さんの棚を見上げて過ごす時間が大好きな子供だった。
学校帰りによく立ち寄った、今はもう無い個人書店。
書棚の様子や店内の風景を、今もよく思い出す。

小さな街の少ない本屋さんだから,
書店でバッタリ誰かと出会うこともよくあった。
好きな本のコーナーで出会う人達のことは大抵好きだったら、
今日は誰かに会えるかなというのも楽しみの一つだった。

季節によって変わった本屋さんで流れる音楽や、いくつかの出会い。
背表紙に見る知らない世界。

そういえば、この季節、
本屋さんのレジで新入学セールのカレンダーカードをもらうのが楽しみだった。
うる星やつら』とか『みゆき』とか
その頃人気だったアニメキャラクターのカレンダーは貴重だった。
徒手帳に挟んで持ち歩いたものだ。

新しい季節の扉は、同じ季節を過ごした過去を見る窓になるようだ。