月の庭で見た夢を

ニコッとタウンでひとりごと。

哀しい金魚の想い出

金魚と朝顔の夏

金魚と朝顔の夏

もう20年も前の夏のこと。
京都祇園祭宵山の午後だった。

四条通から室町通りを少し上ったあたりだっただろうか。
電柱から出た杭に、2匹の金魚が釣り下げられていた。

金魚すくいで採った金魚を
連れて帰らずそこに捨てたのだろう。

午後の太陽が照りつけ、
おそらくビニール袋の中の水温は上昇の一途。

自分たちの運命を知っているのか知らないのか
2匹の金魚は袋の中をぷくぷくと静かに泳いでいる。

私は悲しくて悲しくて涙を抑えるのがやっと。
心臓が止まるほど胸がキリキリ傷んだ。

この子達を連れて帰りたい。連れて帰りたい。
あぁたぶん見捨てて帰ったら一生後悔する。

だが金魚を飼える環境を私は持っていなかった。
それを作ることもできない環境だった。

だから私は今もあの子達を思って苦しんでいる。
2匹の金魚の姿が脳裏から離れない。

飼えないなら、どうか金魚すくいをしないで。
お願いだからそんな捨て方をしないで。

 

おじいちゃんの家で夏休み

おじいちゃんの家でなつやすみ

おじいちゃんの家でなつやすみ

秋田のおじいちゃんの家は瓦屋根つきの立派な門構え。
玄関の広い土間はひんやりしていた。

着物に割烹着姿の祖母はいつも台所にいて
従弟たちが家の中を走り回っていた。

遠くから来る私や妹のために
祖父はいつもサイダーと西瓜と桃を
たっぷり用意してくれていた。

従弟達と西瓜の面白い食べ方を競ったり
サイダーに浮かぶストローで遊んだりが面白かった。

早朝の庭で、祖父に摘み方を教えてもらいながら
大きく実ったトマトを摘み取った。

みんなで河原へ鍋っこ遠足に行ったし、
必ず泊まりがけで男鹿半島まで海水浴に行った。

祖父も祖母も私が就職する頃に逝ってしまい
楽しかった夏休みのお礼も言えなかった。

天国でもう一度会えれば良いのに。

 

言霊をさがして

灯台までお散歩しましょ♪(2019-07-17)

灯台までお散歩しましょ♪(2019-07-17)

 

その時には優しさを感じさせない優しい言葉があるんだって。
その時には酷さを感じさせない酷い言葉も。

 

そうだね。確かにあるね。

 

たくさん人を傷つけて生きてきたよ。
だから今心から思う。

 

あからさまな優しさじゃなく、
気づかれないような優しい心を届けられたらと。

 

そんな言葉を紡げるようになりたいと。

 

心は空へ羽ばたいて

五月晴れのあじさい

五月晴れのあじさい

 

いつか少女だった頃
雨上がりの青い空を見上げてた

 

青い青いあの空の
白い白い輝く雲は
遠い遠い私の未来

 

空と雲に溶け込んで
どこまでも飛んでゆける

 

私の心はこんなにも空の上
なのに私の身体は地面の上
それがとても不思議だった